2019年07月01日

2019年度第5回公開講座(神戸市)

ようやく梅雨入り、ムシムシする毎日ですね。
今年度6回目の公開講座は、兵庫県神戸市 兵庫県私学会館で行われ、およそ130人にご参加いただきました。

今回のメニューは…

〇生命情報工学科 吉田久教授
「なんでもAI(人工知能)?〜生体医工学におけるデータサイエンス〜」

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AI(artificial intelligence)は、最近よく聞く言葉です。車の自動運転、画像認識、翻訳やゲームの相手もしてくれるということで、あらゆる分野でその能力が期待されています。
基本的なところは、人間の脳のしくみをお手本にされているAI。そのしくみを講座で解説いただきました。
さらには、現在、医療分野の研究事例も紹介されました。例えば「メラノーマの画像診断」や、「パーキンソン病と診断するための補助として」AIが使えないか、研究がすすめられているところです。
また、吉田先生がある病院と共同で研究している「妊婦みまもり」システムについても紹介されました。


〇人間環境デザイン工学科 藤田浩司講師
「住まいの温熱・空気環境と健康・快適性」

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これから本格的な夏を迎えます。近年は家の中でも熱中症になると言われていますね。窓の外側にブラインドやすだれを置いて日よけをすることや、風通しをよくすることなどが良いそうです。
冬の寒さも危険です。家の中で大きな温度差が生じ身体に負担がかかる「ヒートショック」で亡くなる方も多いそうです!入浴前に浴室や脱衣所を温めておくことが大切です。
夏でも冬でも、快適な住まいを目指すには、住まいの断熱化が求められます。まずは窓の断熱性をあげるのがオススメですと藤田先生は話していました。



神戸市の30代と50代の女性は「同じ職場で働いているのですが、AIの話が特に印象的でした。自動運転とかだけなのかなぁと思ったら、医療分野にも使われているんですね。会社でも何か取り入れられたら、といいヒントになりました」とのことでした。

同じく神戸市の30代の女性は「前に参加した時におもしろかったので、また来ました。私は建築関係の仕事をしていて、住まいのお話しは参考になりました。もっと難しいと思っていたのですが身近な例え方でわかりやすかったです。周りの人にもきょうの話、教えたくなりますね」と笑顔で答えてくださいました。


次回の公開講座は、7月13日(土)大阪府堺市で開催です。
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2019年06月10日

2019年度第5回公開講座(橋本市)

梅雨入りはいつになるのでしょうか?
今年度第5回「BOST Science Café」は、和歌山県橋本市で開かれました。
今回のメニューは・・・

○生物工学科 秋田求教授
「コケから調べる植物と病原菌との関係」
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古くから庭園や盆栽でも重宝される「コケ」。最近はブームも相まってお好きな方も増えているようです。
今回は、「スナゴケ」を枯らせてしまう「S.delphinii」という病原菌(カビ)のお話です。
スナゴケは乾燥にも強く加工しやすいので、屋上緑化などでもよく使われるのですが、S.delphiniiがスナゴケに住み着き、シュウ酸を産生、それによってスナゴケは枯れてしまうようです。
また、コケのある方向へ菌糸を伸ばしていることから、このカビはコケがそこにいることをわかっているかのようだった、とのことです。一方で、コケが病原菌から身を守る仕組みについても解説いただきました。


〇医用工学科 福田誠准教授
「慢性腎臓病治療における人工臓器と臨床工学技士の役割」

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「人工腎臓」「透析」の言葉は、みなさんもよくご存じだと思います。
日本には現在およそ34万人の血液透析患者がいて、透析の治療を一週間受けないと死に至ってしまいます。血液を浄化する血液透析治療に使われる人工腎臓は、ヒトの腎臓をお手本に作られてきました。
この日は実際に使われている透析装置の一部も見せていただきました。中空糸型人工腎臓は、糸ほど細いストロー状のものが数千〜一万本ほど集まり、筒の中に入っています。ここを血液が通ることで、自力でろ過できない余分な水や老廃物が取り除かれます。また、これらを扱う臨床工学技士は、医療国家資格です。生物理工学部からも臨床工学技士となり、医療現場で頑張っている先輩がいます。


市の広報で知った、という橋本市の女性は「おもしろかった。コケの研究から人間の病原菌についてもわかることがあるのでしょうか?」とのことでした。
田辺市から家族でご参加の中学三年生の男の子は「兄が高専に通っていて、一緒に来ました。難しかったけど、夏のオープンキャンパスにも行ってみたい」と話してくれました。


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次回の公開講座は、6月29日(土)兵庫県神戸市で開催です。
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2019年05月31日

2019年度第4回公開講座(和歌山市)

暑い日が続きますね!
今年度第4回「BOST Science Café」は、和歌山県和歌山市で開かれました。
今回のメニューは・・・

○医用工学科 西手芳明講師
「『病院内のエンジニア』〜臨床工学技士の仕事とは?〜」

ケガや病気をしたら、お世話になるのが病院。医師や看護師のほか、臨床工学技士さんも。
臨床工学技士とは、色々な医療機器のなかでも、生命維持管理装置(人工透析装置、人工呼吸器、人工心肺装置など)を扱うことのできる人です。操作の他、保守点検も担っています。
講座では、そうした生命維持管理装置とはどういうものか、いくつかご紹介いただき、実際に透析で使われている装置の一部を見せていただきました。牛乳を管に通すと、透明になるところを実演!


〇先端技術総合研究所 生物工学技術研究センター 加藤博己教授
「古生物細胞核を用いた体細胞核移植〜マンモスはよみがえるか?〜」

生物理工学部・先端技術総合研究所では、以前からマンモス研究を行ってきました。ほぼ20年が経ったそうです!この間、どんな研究が行われてきたのでしょうか?時系列で紹介していただきました。
マンモスの体細胞を入手するために、ロシアのサハ共和国やシベリアへ行き、組織を回収、持ち帰ったらどんな細胞かを調べなければなりません。最近では、マンモスの細胞核をマウス卵に注入したところ、動きがみられたということで、今後も注目される研究なのではないでしょうか。


市内の高校に通っている高校三年生の女子二人組は「医療の道を目指しています。医療機器の話がくわしく聞けて参考になりました」「前にも来たことがあります。マンモスの話は、難しいかと思っていたのですが、とてもわかりやすかったです。研究どうなるんでしょうね」と話してくれました。

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